mixiの自分の日記の転載です。 他の方の感想が気になったので、自分なりの感想を書いておきます。 ネタバレを含みますので読まれる方は一度視聴してからのほうが良いかと思います。 …最後の最後で、鹿目まどかが主人公になった、って感じだな。 正直今までは誰かに翻弄されつつもさやかと一緒に自分勝手なエゴを主張してばっかで、 あんま好きじゃなかったんだけど…。 最終まどか以外にも、ほむらにやり直しを強要したまどかだっていたしな。
彼女がした最後の最後の選択は、要するにFateでいう英霊になるのに近いんだよな。 英霊ともまた違うか、どっちかっていうと抑止力、いや、 魔女になる前にソウルジェムを消し去るシステムになったのか。 魔女自体は生まれる前に消える、ってことは、呪いに負けそうになったら、 そのまま死んじゃうってことなんだな。 まあそれでも…最初に抱いた幻想どおりの、 第3話時点のマミの魔法少女の立ち位置になっただけの話か。 魔獣を狩り続ける存在になる。 願いを叶えた対価として、あるいは、最初期まどかのように人々のために。 絶望に負けるか、自分が死ぬまで。
ただし最後の最後に絶望しても、代わりにそれを引き受ける存在が出来た。 最後消えていく少女達が微笑んだことから、 さやかのように死ぬ間際で幻影が観れるのかもしれない。 消えゆく少女達にとって確かにそれは救いになるだろうな。
…でもそれって大人になってもずっと、ってことだよな。 それはそれで魔法「少女」とは呼べなくなるんじゃないのか…。 でも時間跳躍を繰り返しまくったほむらが全く姿かたちが変わってないことから察すると、 ソウルジェム化したら元々の肉体の時間は止まるのかもしれない。 いや止められる、か。痛覚消すのと同じように、魔法で肉体の維持が出来るのかも。 つまりこのまま死なずに永劫の時を魔法少女として過ごしていったら、 いずれはロリババアとなるのか。
あの1ヶ月の時間を好き勝手操作する、っていうのがほむらの魔法だったわけで、 1ヶ月を越えたらもう時間操作の魔術は消滅してしまったんだね。 盾、なくなってたもんな。 代わりに得た魔法が、最初期まどかの弓の魔法ってのがまた泣かせる。
ほむらは因果律に反して記憶を全て引き継げた、ってのは素直によかった。 ほむらまで忘れてしまったら何一つ救われなかった。 ほむらは時間移動した因果が消えないから、魔法少女になった理由、 すなわちまどかのことも記憶から消されなかったのかな。 これが成立しないと違う時間軸からやってきたほむらの存在自体、 消えないといけなくなると思う。 リボンが物理的に残っていたのだから、あるいはほむらのことも、 まどかが因果律に組み込んだのかもしれないけどね。 まどかの願いはあくまで少女の祈りを尊重することだったから、 ほむらの祈りもまた尊重されたと考えるとより自然かもしれん。
まあまどかが犠牲になることがいい終わりだったとは、言い切れんがな。 こないだのドラえもんの感想と一緒だよ。 世界が救われても、残された人が救われても、やっぱ死んじゃだめなんだよ。 親兄弟だってうっすら憶えてるじゃないか。 多分お母さんもまどかの存在は、娘がいた気はしてるんだろうけど、 夢や気のせいだと思うことにして今に至るって感じなんだろうな…。 結局ほむらの「自分を大事にして。貴方のことを大切に想う人の気持ちも考えて」、 って言葉は、届いたけれども叶わなかったんだな…。
それでもこの話はそれ以外のルートを辿ったらもっと悲惨な目にあってたけどな。 虚淵シナリオの中では屈指のグッドエンドだと思う。 その悲惨な終わりは循環世界でやり尽くしたから満足しただけなのかもしれんが。
この願いを叶えることが出来たのも、ほむらがいたからこそなんだよな。 願いの仕組みも、結局魔法少女の素質によって叶えられる規模が変わったんだな。 宇宙の法則を変えられるみたいなことはキュウべぇも言ってたけど、 あれは魔法少女になってからの話だと思ってたわ。 まどかの力がどんどん大きくなっていった、ってのは、 過去まどかが現在まどかにキスするOPのあのシーンで示唆してたんだな。
でもこれはずっと思ってたんだけれども、エントロピーエントロピー言うけど、 時間操作や平行世界シフトが行なえるほむらの魔法は、 それこそ世界ごと作り出すわけだから(これもこないだのドラえもん感想参照。 多分ほむらの魔法はまどかの現象を察するに筒井康隆方式に近いと思う)、 それこそエントロピーの回収って面で最高に優れた魔法じゃないの。 なんでそこにキュウべぇが着目しないのかが理解出来ない。 平行世界からエネルギーをぎゅんぎゅん集めちゃえば済む話じゃねえの?
宇宙の法則を書き換えたまどかの願いはどれほどの熱量を生んだのか、 と思ったけど、宇宙自体が一回終わってるから、 変換した熱量はなかったことになったのかな。 キュウべぇ側でも書き換わった事実を確認できないってレベルだしなあ。 と、ここまで書いて気付いたけど、よく考えたらエネルギー=絶望だよな。 まどか自分で打ち消してたな…。 でも希望が絶望にシフトするときに生まれるエネルギーが云々って言ってたから、 希望が絶望にシフトしたあと、最後の魔女を救った時点でまた希望にシフトするから (打ち払った演出はそのシフトのエネルギーとも取れる)、 その絶望→希望の再シフト分は回収しようと思えば出来た、のか? ああでもそのエネルギーが生まれた宇宙は消えちゃったからやっぱだめか。
まどかとほむらはどっちも主人公だよな。 衝撃の10話時点では明らかにほむらが主人公だろとは思ったが、 12話まで観たら確かにまどかも主人公だった。 これで魔法少女の取り上げられ方が偏ってるって意見も、 いやこの二人は主人公だし、で片付けられるな。 ほむらはいいキャラしてたな。斎藤千和が一気に好きになった。 まどかは絶望を打ち払った姿はまじ天使だったと認めざるを得ない。 成長したら美人さんになれたのになあ…。
結局書き換わった最終世界では、さやかだけは死んじゃったんだな。 さやかの死因は殺されたんじゃなく、絶望に負けたからだからなあ…。 書き換わった後の最終世界は普通に神風アタックで死んじゃったってことか…。 こいつも自分勝手だったり思い込みで暴走したり人の話聞かなかったりと、 あまり好きじゃなかったんだが、でもだからって死ぬなよ…。
最後の最後、二人で演奏を観たのは、書き換わる寸前の最終世界での話だろうな。 書き換わった後はまどかの存在自体がないわけだからあの会話もないわけだ。 「さやかを救うには全部なかったことにするしかない」 って台詞はつまりこれから改変しますよってことだし。 時系列は杏子とマミさんとお茶してたシーンと同時だろうな。
でも最後の最後はちゃんと友達になれてよかったな杏子。 まどか×ほむらと違って、お前ら二人が幸せになる世界は多分どっかにはあるだろう。
マミさんもシャルロッテがいないから死ななかったんだな。 でも一つ油断をしたら死ぬ例としてマミを用意したって虚淵が言ってたから、 そんなうっかりマミさんはこれから先どっかでやっぱりうっかり死んじゃうかもな。 まあ魔獣とやらが魔女以上の強さを持ってるわけじゃなさそうだが。 魔獣はエネルギー効率が悪いって言ってたし力自体大したことないんだろうな。 マミさん強いしちゃんと生き残って欲しいね。
ただ最後はほむら一人で戦ってたんだよな。 3人は各地域に分散したのか、たまたま別行動を取ってたのか、 仲違いしたのか。 あるいはまたほむらだけ生き残ってしまったのか…。
そしてスタッフロール後ほむらの翼が魔女のように呪いで染まっていたから、 あれはほむらもかなり限界に近いところまできた、 さらに遠い未来の話なのかもしれない。 なんか砂漠だったから、下手したら荒廃してしまった世界なのか…。 最後、まどかのリボンが落ちたから、あの特攻の後、 ほむらも死んでしまった可能性が高い。 他に魔法少女がいなかったしキュウべぇもいなかったから、 もしかしたらほむらが最後の魔法少女かも、な。
あんま悪いほうには想像したくない。 ボクはほむらが書き換わった最終世界でも二人と仲が良くなかった説を採りたい。 で、ほむらのあの翼はなんか成長した証とかなんとか…いや苦しいか…。
まあほむらはもう一人ではない。 まどかって友達がいたから、それでいいと思うわ。 最後の最後で今までのほむらが認められてほんと良かった。
まだ書きたいことはいっぱいあるけど、とりあえず初見感想はこんなもん。 二人の主人公が切なすぎて辛い。 この作品はDVDorBlu-rayを全部揃えて何度も視聴したいわ。 |